ハサミとビールとキムチと私


雨の中、
缶ビールとビーフジャーキーを買い込み、
いい気分で帰宅。
傘差し運転で膝下が濡れたパンツを脱ぎ捨て、
そそくさと短パンに穿き替え、さっそく宴を開始。



ビーフジャーキーを半分ぐらい食べ進め、顎が痛くなった頃、
なぜかロング缶3本で突然よい気分になってしまい、
スクリーンセーバに設定した画像見たさにPCの電源を入れて放置し、
ときめきを拾い返してはニタニタし、
思い出し笑いのくせにワハハとエスカレート、
しまいには自分の足取りすらもおもしろくなり、
どうしようもなく愉快な私。
今なら鳴かないホトトギスにも酒を飲ませてやるだろう。
鳥類はどうも好かんのだが、
これから少しはあたたかい目で見てやろうなどと
どうでもよいことを決意する桃子@酔っ払い。



うふふ、酔っ払いって楽しいなぁ。
いつもこんなふうに酔っ払いたいのになぁ。


そう思いながら、
何か忘れてる…
今週重要なことがあったはずなのに、
それを忘れたまま金曜を迎えている…
と、はっとする。
何を忘れてるのかがわからぬままに
忘れているものがあることを思い出す気持ちの悪さ。
この1週間、
思わぬときめきによってどきどきし続けた結果、忘れられてしまった何か。



―回転のアルバム?
いや、それは別にいい。
気が向いたら買う、かも。
ユニコーンのMステ出演?
見た見た。
EBIさんはなぜあんなに変わらぬお姿なのか。ミステリー。
―冷蔵庫にずっといる2ヶ月前のたこわさ?
さっき初めて見た。そしてそっと扉を閉じた。ミステリー。
―31の日?
それは明日。
明日私はジャモカる日。



酔っ払った頭で思い出そうとすると
なぜだか余計なことばかりが出てきて肝心のことから遠ざかってしまい、
ますます気持ちが悪い。
こうゆう時は確かあれだ。
ハサミに紐だったか糸だったかをぐるぐる巻きつけると思い出すのではなかったか?
そう閃いてしまったが、
ハサミはあるものの、糸が見当たらない。
確かどこかに裁縫セットがあったはず…
いや、引っ越してから使った覚えがない。
ってことはもしかしたらまだ開けてないダンボール…?



はっ、
いかんいかん、
このままでは目的が糸を探すことにすり替わってしまう。
ハサミを持ったまま
うろうろと冷蔵庫を開けたり閉めたり、
新たにビールを開けてキムチを食べてみたり、
おもしろくないと消したテレビを点けてみたり、
すっかり醒めかけた酔いを取り戻そうとし始めた私。



いつからだったか、
画面の右上に「アナログ」といちいち表示されるようになった私のテレビ。
地デジって一体何?
やはりおもしろくないので消してしまえとリモコンを手に取った次の瞬間、
目に、耳に、そして私の心に
パズルの欠片の如く飛び込むCM…










『週刊 安土城をつくる』




これだ!!


忘れてた創刊号。






30号まで買い続けると信長もらえる。
火縄銃と米俵と馬も。
ただ、
110号までちゃんと買い続けられるのかがすでに不安。