効くのを一発

痒くて痒くて堪らん。
あと数分もすれば発狂するのではないかと毎度思う。
手を伸ばせば痒さの向こう側に行けそうである。
人の気を狂わす程の痒みとは、なんとまぁ恐ろしいものなのだろう。
十分殺人兵器として認定できると思うのだが、いかがなものか。


頭痛持ち、胃腸虚弱、神経痛、リウマチ、痛風など、
何らかの致命的ではない慢性的肉体的弱点を持つ人間が多いこの時代。
私の場合、蕁麻疹。
いわゆる「蕁麻疹持ち」である。
聞こえはたいしたことはなく、
寧ろしょーもなさで笑いを誘うぐらいなのだが、
蕁麻疹を侮ること勿れ。
死にまっせ。まじで。


思えば幼少期より魚には細心の注意を払っていた。
秋刀魚・鯖・鰯など、ギラついた表皮をもつ魚はもっての外であり、
コンディション次第では鮭やシシャモ、ホッケの開きまでその対象となる。
一旦蕁麻疹が出るとその症状は手足の指から顔面、口腔にまで至り、
最悪な場合は食道・気管といった内部にまで及び、呼吸困難で死亡するケースも珍しくないという。。。
幸い今のところ頭皮・口腔内までしか経験はなく、
その結果として、
今なお耐え難い痒みに「キーッ」となりながらも生存しておるわけである。
『死因:蕁麻疹による気管閉塞、その結果呼吸困難』
これは避けたいと切に願うばかりである。


蕁麻疹の主な要因は正直特定できぬようで、
一般的には過労とストレスとアレルギーではないかとされている。
そのため、根本的な治療法はないという。
要するに皮膚科や内科を盥回しにされ、
死ぬ程に眠気が襲う薬を処方されるのみである。


よって、
服用してもしなくても仕事中使い物にならぬ私がいる。