未熟者

最近、日常のすべてにおいて無感情を心がけている。
特に仕事に関しては、
思いっきり労働基準法って何?レベルの現実と
出せない粗大ゴミのような絶望的感情しかないので
何も思わずにいようと心がけている。



本日私はクレーマーとの最終決戦のため、
徹夜の身体にユンケルぶち込んで(ありがとうジュリねぇ…涙)8時半出勤の16時間労働。
明らかに職質手前の怪しげな形状、重さ、大きさと三拍子揃った荷物を持ってJRに乗り、守山区某所まで出向いた。
私が警官であればまず「ちょっとキミ、待ちたまえ」と足を止めるだろうし、
私がJR職員であれば、「危険物?もしやキミはテロリストか?」と凝視するだろう。
とにもかくにも怪しい姿であったのは間違いない。
そんな不審者の私、
道中にもなかなか「シット!」と叫びたくなる瞬間に遭遇したのだが、
ここはひとつ無。何も感じない私…
を決め込み、
どうにか無事クレーマーの住まうハイツだかコーポだかに到着。
突き刺さるような視線の中、
だいぶ「個性的な」新婚夫婦の態度にも心を無にし、ただただ作業に打ち込んだ。
リビングに窮屈そうに置かれたTVではなるともが始まった。
どうやら陣内卒業スペシャル的な内容である。
背中で音を聞きながら私は1人流れる汗と時間との戦い。
振り返って濱本さんとかこいちゃんとか見てやろうかと思いながらも
1時間で作業終了。
そしてかなり不本意な形ではあるものの、金銭的な解決策を提示。
そもそも返金がどうのこうのと言い出したのはあちらであるが、
こういった変わった人たちと関わるだけ貴重な時間が取られる。
ならばある程度ならお金で解決し、今後一生関わりたくない。
これが私たちの本心である。
それも含めてここまでが私の仕事なので
その夫婦の目や耳を疑うような言動も無感情にさらっと流れていったのだが、
一瞬だけ思わず心がざわついてしまった。





片付いておらず狭くて不自由なリビングで作業をしている中、
銀行の景品丸出しのマグカップに蛇口から注いだ水道水を
「どうぞ」と床に置かれたのである。


その真意は一体…。





まだまだ無にはなれない桃子であった。