今しか味わえないもの

背が高いという理由だけで白雪姫を演じた5歳の桃子は
食い意地に任せて得体の知れぬリンゴ(毒)を貪り、
ブッ倒れ、
覚めない眠りの中で
王子様なんていやしないことを知っていた。



私は冷めた子供で、
頼れるのは自分だけ、
ずっとそう思って生きてきた。
欲しいものは自分で手に入れる。
願いは自分で叶える。
親も姉妹も親戚も、
自分以外の人間は他人である。
物心ついた時から
他人に話すこと、見せるものの線引きをすることを知っていた。
本能的に相手ごとに開く扉と叩く扉を判断し、
それ以上踏み込まれたくないと思ったし、
それ以上立ち入りたいとも思わなかった。
大人になったからといって
そのスタンスは今さら変わらない。
肉親?
血?
それが何?



なんて
一生言えないし、
たぶん一生言わない。





友人も恋人も配偶者も他人である。
他人だからうまくいく。
他人だから許せる。
他人だから好きになる。
他人だから笑い合える。
他人だから必要とし、
他人だから必要とされる。




距離さえ間違えなければ。






私がいつもこんなことを考えてると知ったら
たぶん困った顔をする人がいる。



でも
キミしか知らない私がいるのは事実。
この世界の気まぐれの中で
2人が出会ったことは事実。





ナンテナー。



今日もゴキゲンな私のラブリー☆