歪な形がいい

12時間。
24時間のうちの12時間。
昨日の夜から今日の昼まで一緒に過ごして気付いたことは、
好きだの嫌いだのと騒ぐそれ以前に
私はこんなにも彼にはまっているのだというその事実。
彼から学ぶことはたくさんあって、
まだまだ私は足元にも及んではいない。
スタートラインに立つどころか、
ウォーミングアップすらもできたかどうだか怪しいぐらい。




肩寄せ合ってひとつの記事覗き込んで、
ミンティアとった、とらないで騒いで、
困ってると文句言いながらも助けてくれて、
褒めてはくれなくても新しいハードルを与えてくれて、
部署内の見えない部分を見ようとしてくれて、
そこにいるだけでみんなの意識を変えさせる存在感、
そして、誰よりもできるその仕事ぶりを目の当たりにできて、
やはりこの人は偉大だなぁと感じずにはいられない。
出会ったその瞬間から私はすっかり彼にはまっていたのだと認めずにはいられない。
もし彼に研修を受けてなかったら今頃私は…
そう思うと空恐ろしい。



実務についてから初めて並んで座ったけれど、
この時期にこの位置にいられることが純粋に、うれしい。
基本に忠実に実行できているかとピリッと気は引き締まるし、
注意されたことはちゃんと正せているかとシャキッと背筋は伸びるし、
キーワードを聞き逃すまじ見逃すまじとギラッと目は冴えるし、
あぁたっくん今日もかっこいいわ〜などとデレッとしている間など一瞬もない。




―嘘。
私と彼の様子を見た向かいに座るSVの一言、



「漫才見てるみたいやで」


これにはちょっとデレッた。




デレりながらも、
やはり目標とするのはこの人の姿。
年齢とか関係なく、その仕事ぶりはやはりプロ。
個人的な感情とか関係なく、その姿にはやはり誰もが惚れ惚れしてしまう。
というか、
すでにこれが何の感情なのか確認する術すら見当たらないぐらいの距離。
全くの想定外。



こうして
彼らにとって「男でも女でもない」私と
永遠の18歳、仕事はできるがそれ以外はクソガキの彼と
ホスト風、なのに超草食系28歳の奇妙な三角形は
日ごと正三角形に近付いてゆくのだろうか?






「お腹空いた」って言ったら
彼がその日のSVたちと行く朝ゴハン
私も連れてってくれた。
謎の四角形は妙に居心地がよくて、つい食べ過ぎたのは秘密だ。