ウィッシュよりウメッシュ


何か欲しいのか、
何が欲しいのか、
訊ねられてもはっきり答えられずに
どうでもいいものを答えてしまう。
昔からそうだった。
欲しいものや願い事なんて
咄嗟に訊かれても思い浮かんだためしがない。
流れ星に願い事を唱えるシチュエーションでも
どうでもいいことばっかり願ってた。
吸血鬼に会いたいとか、
戦国時代に生まれ変わりたいとか、
男子になりたいとか。
私的にはどうでもよくはないんやけど、
隕石にそんな頼み事してもちょっと無理だよね。
というか、
どっか問題のある子供だよね。
吸血鬼ってミステリアスでかっこいいなって思ってたし、
下剋上上等!生き抜いてやるぜ!とか思ってたし、(何の根拠もなく)
物心ついた時から自分が女であることが悔しくて仕方なかった。
生まれる直前まで「男の子ですね」という医師の言葉を信じていた一族の下に
生まれてきたのが私でどんだけガッカリしたかをさんざん聞かされたからなのか、
外人のようなはっきりした顔立ちの母親に
「かわいくない」「スカートは似合わない」「長い髪も似合わない」
そう言われ続けて育ったからなのか
どうしても自分と自分の外見を肯定できずに今に至る。
次に生まれてくる時は絶対男希望。
もしくはヨークシャテリア。
これだけはぜひとも今のうちに申請しておきたい。
わん!




もしも今、願いが現実になるとしたら何を願うんやろ。
ぼんやりそんなことを考えていた。
けど、やっぱりこれしかなかった。




「非日常を日常にしたい」



って、
抽象的ー。
わかりづれー。
日常も非日常もおまえの匙加減やろ!
っつって願い事叶えます協会からクレーム来るやろな。



でも、
どきどきしたいし、
わくわくしたい。
はらはらして、
目が回るようなそんな毎日を日常に。
終わらないジェットコースターに乗っていたい。
線路なんて見えなくていい。むしろ要らない。
でも、今年の初詣で誓ったことも今はまだ非日常。




そして、
あの人の日常に私が存在すること、
それも非日常。





そのためにはこの現状から脱け出すこと。
みっともなくても不様な姿を晒しても、
もがいて足掻いて暗闇から手を伸ばすこと。
誓った以上はやらないと!


そう思って焦っていた矢先の先日、ある人から
「(自分が)やるべき事はもうわかってるように見える」
そう言われてどきっとした。
あの人、何者?
あの目、水晶?
ほんとは神?



夏はもうすぐ終わっちゃう。