今頑張りにゆきます


さて、
「ときめきガールになる」という
the Seven Oceans、いわゆる七つの海における深泥ヶ池*1ばりの微妙すぎるスケールの決意をこの胸に抱いた桃子は
休憩時間に意を決して本屋へ向かった。


ときめきガールたるもの、
やっぱ占いとか大好きでしょ。




なんとも短絡的である。


が、
毎年初詣にも行かず、
神社仏閣に対して滅多に手も合わさず、
もちろんおみくじなども引かない私である。
頼れるのは自分だけ、
ましてや流れ星に願いをかけるなどというロマンチシズムは持ち合わせてはおらぬ。
「ロマンチック大好き永遠の夢見る少女」な乙女座ですけど何か?


いや、これではいかん。遺憾。
まずはこのゆるやかなカーブを描いた根性と
ゴビ砂漠における鳥取砂丘ばりのドライな思考を改めねばならん。


ここはひとつ2009年の運勢について
どこぞの誰かが不特定多数の人間に向けて断言している書物でも読み、
一喜一憂してやろうという魂胆で向かったのである。
まずは客観的に己を知る必要があると踏んだ私が手に取ったのは
『誕生日大全』『誕生日辞典』『誕生日バイブル』
これらに代表される生まれた日で人間を365にカテゴライズ並びにアナライズするものである。


どれどれ、9月14日生まれのあなたは、と。



・クールな情熱家(冷静と情熱の…?)
・勤勉で理想主義(少なくとも勤勉ではない)
・大変な野心家で狙いを定めたら必ず成功まで登り詰める(狙いが定まっていないってことかしら)
・正義を貫く完璧主義者(アンパンマンばいきんまんかで言うならハンバーガーキッド)
・変化を好み、エネルギッシュで活発に活動(まぁ)
・優秀な頭脳と並外れた体力を兼ね備え、非常にタフ(明らかに後半のみ)
・理想を形にするために生まれてきた人間なので生涯理想を追い求めて生きるべし(霞を食って生きろ。と?)
・基本寛容だが時に心が狭く、他人を厳しく批判する傾向あり(あはは)
・人間関係では束縛を嫌い自由を求める(よくご存知で)
・女性らしさを嫌い、中性的であろうとする(あの、どこかでお会いしましたか?)
・ユニークで個性的な人に惹かれるもパートナーとしては堅実な人を求める(も、相手には求められず)
・妻となった場合には理想の妻として家庭を切り盛り(「なった場合には」ってとこに悪意を感じます)
・自分からアプローチはかけずとも最終的には自分の思い通りに持っていく(それができりゃ今頃ときめきガール目指しません)
・天職はアーティストか作家(だからそれはさ…)
・生まれ持った物書きの才能はどんな分野でも生かされる(才能あるならこんな駄文は垂れ流さない)
・評論家やジャーナリストもオススメ(マルチ?)
・晩年は理想を追い求め孤高の人となる(孤高っつかすでに孤独な人と思われてますけど)
・本人はなんとも思っておらぬが、傍目には寂しそうな人(たぶんね)
・そんなあなたのエネルギーフード、みつ豆(イエイ、みつ豆大好き)



…うむ。
とどのつまり、9月14日生まれの私は
「ロマンチック大好き永遠の夢見る少女」ではないようだ。
ときめきガール一歩後退。


若干の失意を覚え、思わず泳いだ視線の先にあったこの本を手に取った。

『先祖の祀り方・お墓の建て方』



並ぶコーナー間違ってね?
いや、背に腹は変えられぬ、この際藁をも掴む想い。


なになに、よい墓とは一体…







ときめき目指して踏み出した桃子の1日め、
とりあえずみつ豆を喰らえというだけはしっかりインプットされていたようで、
帰りのスーパーでみつ豆を5缶ほどカゴに入れた。
次回は「ときめきガールみつ豆を喰らう」でお送りします。

*1:京都市北部に位置する天然記念物の高層湿原。心霊スポットとして有名