面談

「あのさ桃子さん、ちょっといい?
率直に訊くけど、
どうなの?
もう結婚する気ないの?」




今日のSVの言葉。


してほしいのか、
それともしないでほしいのか、
そんなことを訊き返すほど私は女子力を備えていない為、



「ないっすよ。ついでに男女交際にも興味ないです、残念ながら」
若干クオリティに問題のあるチェストをなんとか調整すべく奮闘しながら即答。



「なんで?もったいないじゃん。
理想とかないの?こうゆう人と付き合いたいとか結婚相手の条件とかさ」
ROLEXを外し腕をまくり結構本気を見せ始めるSV。



「結婚に夢も理想もないっすよ。
あるのは現実っしょ」



「重っ。それ重いよー。
じゃあさ、好きな芸能人とかは?」



小泉孝太郎か茂樹なら付き合ってみますよ。
続くかどうかは別ですけど」



「男に求める条件が厳しいとか?」



「どれぐらいほっといてくれるか、そこです」




ドライバーを握る手を止め、
「うん、しない方がいいかもね、結婚」




この瞬間、
いずれまたどこかに転勤になることが確定。




チェストは無事に仕上がった。
棚卸にはまだ手をつけられずにいる。