キミがいないとダメなんだ

そろそろ。


そろそろっぽい。




これまでだって何度も感じてた。



もうだめかも。
もう限界かも。
もう修復不可能かも。



そんなこと
何度も何度も過ぎっては振り払い、
振り払っては過ぎり、
つかず離れず、
別の言い方をするならば
スープの冷めない距離でこれまでやってきた。





悪い予感は大概当たる。





“別れなくして出会いなし”とはよく言ったものだ。
無力な私には
これは新しい出会いへの勇気ある第一歩なんだと
別れのつらさ、寂しさを
この一言で
たった11文字で
覆い被して誤魔化してしまうしか術はないのだろうか。
不貞腐れて布団にくるまっても
泣いてもわめいてもすがってみても
もうどうにもならない。
こぼれたミルクはなんとやら。




一時期などは
別れを想定した上で新たな出会いを求め、
昼に夜に街へと繰り出し、
街でダメならどこだ?郊外か??とロードサイドにも足を伸ばした。
恥を忍んで白状するが、
出会いを焦る余り、
インターネットという全世界ネットワークの網に飛び込んだこともある。




が、
出会えない。
日付が変わるまで街を彷徨っても
網を掻い潜り、何度波に乗っても
未だ出会えてない。
もしかして
この31年間で持ち玉全部使い切ったのではなかろうかと
若干モチベーションも下がる。





打ちひしがれた私に
別れの時は
意外と普通に、
ある日突然やって来る。













さよなら。
時計とカバンとメガネ。






これ、
意外と不自由です。