肩透かしの熱情
「なー、桃子さん朝ヒマ?メシ行こ」
「いいよー」
と、
わざわざ別部署からうちのブースに顔を出しにやって来たたっくんと
夜勤明けの朝ゴハンの約束を交わした私、
一瞬にしてテンション跳ね上がるも
考えてみれば、
28歳を差し置いて私だけに声をかけ、
休憩時間でもタバコルームでもいくらでも話せるのに
わざわざ朝ゴハンに誘う…
ということは
1対1で何か話があるということに違いないではないか!
さらに、彼は管理者であることから察するに
話は何かと言えば、
― ご 指 導 。
うむ。
これしか思い浮かばないんだぜ。
私、早くも何かやらかした?
そんな大きくミスった案件あった?
それとも、
太腿とか腰とか胸元とか見えてた?
もしくは服装?
さすがに他部署から苦情?
何?
話って何?
「話あるし」って言われたせいで
めちゃくちゃもやもやするーーーーっ!!
なんならこの場でご指導賜りたい。
どうかおひとつ!!!
…
……
これが気になったまま、長い長い夜を越え、
心なしかヤツレの見え隠れする表情で朝を迎えた私に
突き付けられた現実、
「お腹痛くてもうそれどころじゃない。今日無理〜」
…そんなもんよね。
偶然にも昨夜の彼と私、
髪型が同じパイナップルでした。
そして、
タバコ代払ってください。